Amano Yasukawara-gu
所在地: 宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸
御祭神: 思兼神、八百萬神
ご利益: 家内安全、開運招福、厄除け
天岩戸神社西本宮から岩戸川に沿って歩いて約10分、川沿いに口を開けた大洞窟に鎮座するお宮です。天照大御神が天岩戸に隠れて世界が闇に包まれたとき、八百万の神々がこの河原に集まって神議(かむはか)りをしたと伝えられ、洞窟は「仰慕窟(ぎょうぼがいわや)」とも呼ばれます。御祭神は、知恵の神として神議りを導いた思兼神と八百萬神。かつては小さな社があるだけでしたが、いつしか祈願に訪れた人々の手で石が積まれるようになり、今では無数の石積みが洞窟の内外を埋め尽くして、神秘的な雰囲気を一層深めています。天岩戸神社の摂社として参拝者が多く、西本宮での参拝とあわせて訪れるのが定番です。河原にトイレはないため、西本宮側で済ませてから向かうと安心です。
神々のはじまりのものがたり その五
「あなたより、貴い神が、おいでです」
『古事記』によれば、八百万の神々は天の安の河原(あめのやすのかわら)に集まり、知恵の神・思金神(おもいかねのかみ)に策を考えさせました。神々は常世の長鳴鳥を集めて鳴かせ、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に鏡を、玉祖命(たまのおやのみこと)に勾玉を連ねた玉飾りを作らせます。天の香山の榊を根ごと掘り取って、上の枝に玉を、中の枝に鏡を、下の枝に白と青の布をかけ、布刀玉命(ふとだまのみこと)がこれを捧げ持ち、天児屋命(あめのこやねのみこと)が祝詞を唱えました。力自慢の天手力男神(あめのたぢからおのかみ)は、戸のわきに隠れて立ちました。
天宇受売命(あめのうずめのみこと)は、たすきをかけ、髪に蔓を巻き、笹の葉を手に束ね、伏せた桶の上で足を踏み鳴らして、神がかりして舞いました。八百万の神々がどっと笑うと、不思議に思った天照大御神は岩戸を細く開け、「なぜ皆が笑っているのか」とたずねます。天宇受売命が「あなたより貴い神がおいでなので、喜んでいるのです」と答えるあいだに、天児屋命と布刀玉命が鏡を差し出しました。映った姿をいよいよ不思議に思い、少し身を乗り出した大御神の手を天手力男神が取って引き出し、布刀玉命がすぐ後ろに注連縄を張って「ここから内へはお戻りになれません」と申し上げます。こうして高天原も地上も、ふたたび明るくなったと伝わります。
天安河原は、天岩戸神社の西本宮から岩戸川を500mほどさかのぼった河原にあり、神々が集まって相談した地と伝えられています。間口40m・奥行き30mの大きな洞窟「仰慕窟」に、思兼神と八百万の神々をまつる天安河原宮が鎮まり、ここで願えば叶うと信じられてきました。洞窟の中には、願いを込めて積まれた無数の小石が並び、静かで不思議な空気に包まれています。
岩戸の騒ぎのもとをつくった須佐之男命は、ひげを切られ、手足の爪を抜かれて高天原を追われ、出雲へ降ります。やがてその子孫の大国主神が地上の国をつくり、その国はのちに天照大御神の子孫へと譲られます。いよいよ、孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上へ降りる時が来たのです——。
物語のつづき:天岩戸神社(前の章:岩戸に隠れた日の神) / 槵觸神社(次の章:高千穂の峰に降りた天孫)
物語は『古事記』の伝承と、天岩戸神社の公式サイト(神話・五社・見どころ・参拝案内・お知らせ)、宮崎県観光協会の紹介をもとに当アプリがまとめたものです。